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バンドマンなら知っておきたい電気の基礎知識
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バンドマンなら知っておきたい電気の基礎知識

音を鳴らすためには欠かせないのが「電気」。

ギターアンプ、エフェクター、DAW機器、シンセサイザー、その他音響機器、バンドで使用している多くの楽器は電気なしでは音を奏でられません。

あなたの使用している機材をコントロールするのはあなた自身です。

電気の扱い方ひとつで音色が変わることもあります。

ぜひ正しい知識を身につけて最高のパフォーマンスを引き出しましょう。

知っておきたい電気の基礎知識

エフェクター

http://blog.goo.ne.jp/ex-pro/c/791a90d635e5121bec5ccabef524ca98

電気そのものは目に見えませんが、「+」「−」があるのは皆さんもご存じだと思います。

そしてよく出てくる「○○W」や「○○V」や「○○A」など学校の理科の授業で勉強した覚えがあるのではないでしょうか。

機器を扱う上でも必要となりますので、それぞれ出てくる単位や意味を覚えておくといいでしょう。

機材

電流:アンペア(A)=電気の流れの大きさ

1つの一般的な平行コンセントの定格電流は15A(1500W)です。

電圧:ボルト(V)=電気を流す力の大きさ

日本の一般家庭用電圧は100Vですが、国によって変わってきます。(アメリカ→110V、中国→220Vなど)

なかには200Vなど変則な電圧もありますが、多くの音楽スタジオ、ライブハウスは100Vです。

多くの海外からの輸入楽器は、日本の100Vに変換されています。

電力:ワット(W)=電気がする仕事の大きさ

実際に消費される電気エネルギーをあらわします。

例えば、アンプだったらワット数が多いほど、大きい音がします。

電流、電圧、電力の関係を式に表すと。電力(W)=電圧(V)×電流(A)

いざという時に忘れてしまっては意味がありません。

わたくしは(W)=ビジュアル系の(V)×アイドルです(A)

…など(笑)忘れないようにしておきましょう。

電気容量を超えるとどうなるのか?

家庭用コンセントの最大電流はエアコン用などの特殊なものを除いて15Aで、それを超えなければどれほどタコ足配線にしても大丈夫ですが、電気容量の大きい電気製品を同時に多く使用するとブレーカーが落ちます。

一般家庭で使用する場合は注意が必要です。

1つのコンセントはたしかに1500Wが定格だが、ブレーカーがたとえば20Aで、3つのコンセントに分岐や送られている場合は、3つのコンセントの合計で定格が20A、すなはち2000Wまでということになる(決して、3つのコンセントが2つ口コンセントだったとして、合計6つ口であるから、1500W×6=9000Wまで使用できるわけではない)。

つまり広義の「たこ足配線」は、1つのブレーカーから分岐や送りが行われている電気工事時点ですでに行われていることになる。

http://ja.wikipedia.org/wiki/たこ足配線

コンセントの許容電流を越えるとブレーカーは落ちなくても、発熱出火の可能性があります。

またブレーカーの安全装置が作動する寸前の電力使用を続けた場合、ブレーカーの安全装置は作動しないため、継続的に過熱状態が続き、電源を遮断する安全装置が故障する原因になる。

また分岐や送りにより構成された配線の中で一番耐熱性が低い箇所、あるいは過熱が続いている箇所から発火することがある。

さらに前述のブレーカーの安全装置が故障した状態では、定格を遙かに超えた電力を使用できてしまうため、連鎖的に発火がおこる可能性もある。

http://ja.wikipedia.org/wiki/たこ足配線

消費電力一覧

AC(交流)・DC(直流)って何?

AC/DC

http://rockmeigen.stereb.com/?tag=アンガス・ヤング

家庭用の電源はAC(交流)で、時間に対して一定の周期で電圧が変動します。

だからほとんどの電化製品は定電圧にするため交流を直流になおします。

DC(直流)は電圧は常に一定です。

エフェクターなどで使用するACアダプターと言う物がありますが、これはAC(交流)をDC(直流)に変換しています。

乾電池やバッテリーもDCですが、これは使っているうちに電圧は次第に低くなってきます。

アダプター

例:BOSS PSA-100の場合

  • IN:AC100V~50/60Hz 7VA
  • OUT:DC9V、500mA、4.5W
  • 電極:センターマイナス

このように表記されています。

これはAC/DCアダプター(ACアダプターとも言う)で、AC(交流)をDC(直流)に変換します。

電圧は9Vで、電流は500mAです。

ほとんどのギター用エフェクターは、9Vですが電流がトータル500mAを超えると正常に動作しませんので、分岐して使用している場合は、エフェクターの電流表記をチェックするようにしましょう。

ちなみに今人気の「LINE6 DL4」は、「AC9V 1200mA」です。

LINE6 DL4

表記を見れば、BOSSのアダプターで代用できないことが分かりますし、専用のアダプタが必要になってくるのが分かります。

インプットするプラグの規格もあります。

定番のギターエフェクターProcoのRATは通常のACアダプターを使用する場合は、変換コネクタが必須です。

RAT

http://www.matsumotogakki.com/products/detail.php?product_id=83&PHPSESSID=2a0sckgln5a5kl617l5bgkdjl4

あとアダプターには、センタープラス・センターマイナスという極性種類があります。

アダプター

エフェクター関係のモノは一般的にセンターマイナスが主流ですが、中にはセンタープラスが存在しますので、必ず極性を合わすようにしましょう(極性が合ってないと機器の故障の原因になります)。

よく出てくる「50Hz/60Hz」って?

電源周波数

http://www.joshin.jp/j_service/qanda/zenpan01.html

日本は静岡県の富士川と新潟県の糸魚川あたりを境にして、東側は50Hz、西側は60Hzの電気が送られています。

電気を作る発電機は、明治時代に輸入当初、関東にはドイツから50ヘルツの発電機が、関西にはアメリカから60ヘルツの発電機が輸入されたことから、現在も当時の流れをくむ形で2つの周波数が存在しています。

「50/60Hz」と表示されていれば、全国どこでも使用できます。(現在はほとんどの電化製品がこの表記です)

ヴィンテージの楽器や古い機材などで単独表示のものは、使用地域が限られています。